ホームタウン活動を積極的に行う(写真=クラブ提供)

――自分たちの手で変えていけばプロリーグに辿り着けると。

 そのとおりです。だからこそ我々はプロリーグ参入を見据え、事業にこだわるクラブ経営をしています。プロクラブのほとんどは大きな親会社を持っていますが、我々はそうではありません。自ら事業を作って資金を生み出す仕組みを作っていきたいなと。

 我々の大事なミッションとして『フットボールクラブを通じて、川越に夢と感動を創出し続け、100年続くクラブへ』というものを掲げています。Jリーグにいくことだけではなく、ゼロからクラブを作って成長させていくという挑戦を通してサッカーに興味がない人にも応援してもらいたい。私たちの挑戦を通して、川越に夢と感動をもたらし続けたい。だからこそ親会社に頼るのではなく、自らの事業で続けることでいつまでも運営が続けられるクラブ作りに挑戦したいんです。

――サッカーそのものだけでなく、クラブ運営をひとつのコンテンツしようと。

 はい、Jリーグに入るために重要なのはまず会社自体が圧倒的に成長すること。COEDO KAWAGOE F.Cとしては、大きく分けると「サッカー」「事業」「ホームタウン活動」の3つを軸に活動しています。サッカーに関しては「勝利にこだわり、90分間観客を魅了し続けられるチーム作り」。事業に関しては「新しいビジネスモデルへの挑戦」です。通常のJリーグクラブの収益の柱はだいたいスポンサー、チケット、グッズという3つですが、それ以外の収益の柱となるような事業の柱作りを積極的に行っています。例えば、スポンサー以外で会社としても現在伸ばしている事業で、今後大きな柱になるオウンドメディア事業「#川越( https://mag.c-kawagoe.com/ )」は現在月間で3万人が訪れるメディアに成長しており、成長角度を加速しています。

 そしてサッカーが強くてお金を儲けていれば、川越市民35万人に応援してもらえるかと言えばそうではないので、サッカー教室や商店街のお祭りへの参加などホームタウン活動にも力を入れています。1年目は約50回、2年目は約70回、今シーズンは100回程度実施の見込みです。川越は市民の地元愛が強い街なので、そういう場所で地域に貢献しながら、地域と一緒に大きくなっていくことは常に大事にしていますね。

――事業面に関しては、どういった取り組みをしていますか?

 まずはスポンサー分野を伸ばすことを会社としては注力しています。通常スポンサーといえば、お金を出して、協賛してといういわゆる寄付活動に終始することが通常です。私たちのスポンサーは、スポンサーになることで、スポンサー企業同士で、ビジネスが加速すること。スポンサー企業の様々なビジネスを拡大させるために我々のクラブが仲介役となること。サッカークラブをハブにしたマーケティング活動に力を入れています。スポンサー企業さまには、単に資金面のサポートをしてもらうだけでなく、COEDO KAWAGOE F.Cを中心とした輪の中に入ってもらうことで、クラブと共に一緒に事業をしていくんです。

 例えば企業検診事業を伸ばしていきたかった三芳野病院さんの営業を代行して企業との接点を作ったり、飲食店と油の卸会社さんをマッチングして成約につなげたり。クラブがハブとなってそういったWIN-WINのつながりを作ることがスポーツクラブにならできるんです。

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